世界の自動車生産・販売は完全回復 中国経済の回復には一定の信憑性あり

コロナという未曽有の危機にもかかわらず、世界の自動車生産・販売が拡大しています。背景には、公共の場における3密を割けるための移動手段としての活用の拡大など、コロナによる生活様式の変化があります。


しかし、そのような行動様式の説明できるレベルを超えて世界の自動車生産・販売は拡大しています。この背景にはなにがあるのか。やはり中国の存在です。中国は、自動車の販売台数において、既に世界最大の国となっています。その市場規模は、米州主要国(米国、カナダ、ブラジル、メキシコ)の合計と同等レベルの規模です。


 以下のグラフを見てみると、世界がコロナショックに襲われた2020年の中国の自動車生産・販売の回復レベルが、他の地域(欧州、米州、日本)を超えて非常に高いものだったことがわかります。多くの国、地域が、2020年の生産販売が2019年の水準を回復するのに半年以上かかったのに対し、中国は2020年4月には2019年水準を回復し、それ以降過去最高水準で推移し続けました。





中国経済の回復力と実態については、しばしば懐疑的な見方がなされます。例えばGDP統計などはかなり「粉飾」されているのではないか、といううわさが絶えません。中国企業のM&Aでは、財務情報の信憑性はほとんどあてにならないというのは、M&Aにおけるいわば「常識」です。 しかし、自動車の生産・販売台数統計は、こうした数字と違って一定の信頼性があるといえます。理由は、中国には世界中の自動車OEMが参入しており、こうした世界OEM(GM、フォード、VW、トヨタなど)のシェアはかなり高くなっています。従って、共産党が数字を改ざんしようとしても、すぐダブルチェックされてしまうため、かなり「改竄しにくい」数字といえます。


自動車統計は、世界経済のいわば「体温計」です。そして、中国は世界経済の体温を決める、いわば「体幹部分」と言わざるを得ません。今後数年の間に、この体幹温度を変動させる様々な不確定要素(米中経済対立、台湾問題、半導体戦争)が顕在化してくることは確実で、日本企業もその影響を慎重に見極めていく必要があります。









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